小児科
一般小児科
例えば、急に高熱が出た、鼻水がでる、何だか元気がなくしんどそう、咳がとまらない、ぶつぶつの発疹が出た、ミルクを吐く、口に何かできている、下痢をした、便秘になった、おしっこの色が変など、外傷以外の子供の病気については、まず当クリックにご相談ください。
また、お子様の症状に応じて病院での治療が望ましいと考えられる際は、適切な病院へご紹介いたします。
小児感染症
お子さまに多い流行性の感染症が疑われる場合はお越しください。
院内には感染者用の観察室を用意しており、子どもたちの院内感染を防ぐように心がけていますので、受付にお申し出ください。
お子さまに多い感染症や病気の症状
麻疹(はしか)
乳幼児期の小児にかかりやすく、特に1歳前後でよくかかります。 麻疹ウイルスによる発疹の出る感染症で鼻水や高熱(38~39度以上)で出てぐったりします。
また、肺炎や中耳炎を合併することが多く、気をつけなければいけない病気です。1歳を過ぎたらできるだけ早くワクチンを接種して発症そのものを予防することが最も重要です。
風疹
冬から春にかけて流行することが多い感染症で、風疹は麻疹(はしか)と似ているため、「3日はしか」と日本ではよく呼ばれています。
主な症状としては、耳のうしろや首のうしろのリンパ腺が腫れたり、麻疹によく似た赤い発疹が顔から現れはじめ、24時間以内に手足へと広がっていきます。
3日前後で発疹も消え、かかっても症状は軽いのですが、妊娠中の女性が感染してしまうと、胎児が先天性風疹症候群(先天性心疾患や白内障、難聴などの先天異常)になる恐れがありますので、注意が必要です。近年では予防接種が徹底されてなかった20代~40代の成人男性が感染を広げて懸念されています。
水痘(水ぼうそう)
10歳以下のお子さまがよくかかります。かゆみの強い水疱(すいほう)ができ、とても感染力が強くかさぶたになるまで次々と人にうつります。
そのため保育園や幼稚園などで一気に広がってしまいます。 水痘ワクチンを接種していても、水痘の患者さんと接触した場合に発症することがありますが、極めて軽症ですむため、ワクチン接種で予防することをお勧めします。
おたふくかぜ
冬から春にかけて、飛沫や接触感染により保育園、幼稚園園や小学校などで流行る感染症です。耳下腺という耳の下、頬の後ろあたりが腫れてきて痛み「おたふく」のお面のような顔になることから、通称「おたくふかぜ」と呼ばれています。
腫れの度合いによってまちまちですが、通常は1週間~2週間前後で自然にひいてきます。 熱は出ることもありますが、それほど高熱になることはなく、発熱しても3日程度で下がることが多いです。
突発性発疹
生後4カ月~12カ月の間のお子さまがよくかかります。
39度以上の高い熱が出て熱が下がると発疹が出てきます。熱が高いわりにお子さまの機嫌がそれほど悪くならないのも特徴です。
手足口病
夏場、幼小児のお子さまがよくかかります。手足口病は、手のひら、足の裏や手足の指の隙間、口の中に水疱性の発疹ができます。
高熱になることは少ないですが、一時的な発熱を伴うこともあります。口の中の発疹により食欲不振が強いと脱水の危険があるので、水分補給に注意します。
プール熱
夏場、幼小児のお子さまがよくかかります。咽頭結膜熱といい、夏にプールで流行することが多いので、プール熱とも呼ばれます。
突然、38~40度の高熱が続き、その後、扁桃腺が腫れ、結膜炎が現れます。かかったときは、水分や栄養の補給に注意が必要です。
ヘルパンギーナ
夏場、乳幼児のお子さまがよくかかる夏かぜの一種です。38~40度の高熱が2~3日続き、のどの奥に痛みを伴う水ぶくれができます。
そのため食べたり飲んだりすることを嫌がる場合がありますが、脱水の危険があるので、水分補給に注意します。
伝染性紅斑(りんご病)
小児のお子さま特に小学校の低学年でよくかかりますが、成人にも発症します。
軽い風邪症状が見られた後、5~6日してから顔面、とくに両方のほっぺたがリンゴのように赤くなるのが特徴です。その後、腕や足にあみ目状の発疹があらわれます。
RSウイルス
毎年冬から春かけて流行る非常に感染力の強いウイルスです。一度かかったことがあっても何度も感染する可能性がある病気です。
鼻水からはじまり、咳が出て熱が39度前後まであがります。乳幼児が感染すると、呼吸器系が未発達なため、気管に炎症が起こり気管支炎や肺炎へ進行するケースがあるため、注意が必要です。
溶連菌感染症
冬から春にかけて流行する細菌性の病気のひとつです。のどかぜの症状と急な39度近くの高熱からはじまります。湿疹が手や足、時には全身に出てかゆみをともなうこともあります。
のどや扁桃腺が赤く腫れ、舌が「いちご」の表面のようにブツブツとしたいちご舌の状態になることもあります。症状は、溶連菌に有効な抗生物質を10日程服用すれば治ります。
ロタウイルス胃腸炎
ロタウイルスは乳幼児に毎年大流行する嘔吐下痢を主な症状とするウイルス性の胃腸炎です。毎年、11月ごろから流行し、1~2月にピークを迎え春先ころにはおさまることが多いようです。
多くは突然の嘔吐に続き、白っぽい水のような下痢を起こします。発熱を伴うこともあり、回復には1週間ほどかかります。 まれに合併症として、脳炎、けいれんなどが起こりますので注意が必要です。
日本ではロタウイルスワクチンは1価のワクチン(ロタリックス)以外に平成24年7月20日から5価のワクチン(ロタテック)の接種が可能となりました。
小児喘息
一昔前までは何らかのアレルゲンを吸うと、気管支粘膜が収縮(けいれん)して呼吸がしにくくなるといった定義から、気管支を広げる気管支拡張剤が主体となっていましたが、最近の研究では喘息は気管支粘膜における炎症性【好酸球】疾患と考えられています。
そのため、ゆっくり、時間をかけて治療管理していくことが必要です。
小児喘息の問診
一年を通して、風邪でもなく、感染性の気管支炎でもなく、先天性肺疾患でもないのに、突然のこんこん、ヒュ-ヒュ-が3回以上ある、あるいは、はしゃいだり大笑いしただけでこんこんしたりする場合は、気管支の過敏性が亢進している証拠です。
更にはしゃいだりしただけでしゃがみこんだり、会話が少なくなったら、喘息の可能性が大きいです。そのような状態になったら、当院を受診してください。
小児喘息の検査
血液中アレルゲン同定検査(RAST法)、プリック試験(皮膚にアレルゲンを滴下して針で引っかいて反応を観る検査)、肺機能検査、気道過敏性検査などがあります。
特に血液中アレルゲン同定検査(RAST法など)は値段の高い検査ですが、非常に感度、特異性に優れていますので一度は受けてみましょう。
小児喘息の診断
家族歴で二親等以内にアレルギー疾患の方が居た場合。一年を通して、突然のこんこん、ヒュ-ヒュ-が3回以上ある(特に夜間、朝方)。アレルゲン検査でハウスダスト、ダニなどの吸入性抗原が陽性。他の気管支、肺、心臓疾患を除外して総合的に喘息と診断します。
小児喘息の治療
昔の考えでは気管支拡張剤を主体とした治療が主体となりましたが、最近の研究では、上記病態に基づいて、気管支の炎症を抑えるお薬が長期的に使用することで、ぜんそくの重症化、進行をおさえます。
1990年頃より世界的に増加する喘息を撲滅することから、欧米諸国が気管支喘息ガイドラインを作成しました。わが国でも少し遅れて、厚生省や日本アレルギ-学会から気管支喘息ガイドラインが発表されました。
一方、小児では1990年代後半にヨーロッパで小児気管支喘息のガイドラインの論文が出版されました。わが国では2000年に日本小児アレルギー学会より、小児気管支喘息のガイドラインが作成され、2005年にはより具体的に改定されています。
そのどれもが、気管支の炎症を根本的に抑制する薬(長期コントローラー)と発作時に使用する薬(レリーバー)とを併用してうまく使うことで治療の主体にしています。
具体的な対策・治療
1. 原因となるアレルゲンを除去する環境整備
掃除は毎日行うことが必要です。
畳1畳あたりに20秒間ぐらいかけて丁寧に掃除してください。
ダニが20匹いるとアレルギー体質を作ります。100匹では喘息発作が悪化していきます。同時にお部屋の換気も充分にしましょう。特に畳、じゅうたんはダニが好んで生息する場所です。高温多湿でダニが繁殖します。
寝具類を新たに出し入れする時期(夏、冬)は特に注意してださい。
簡単な寝具類やバスタオルなどは、大きな洗濯機があれば丸洗いするとダニがとれます(米国の研究)。
大きな寝具類は天気の良い日に両面干しして、その後掃除機で吸い取ってください。
近年の住宅状況は非常に気密性であるため、ダニや家のほこりだけではなく、カビ類が問題となっています。
カビが生えて仕方がないときは、カビ除去薬(喘息発作を誘発します)は使わないで除湿機を使うと良いでしょう。
2. 喘息日誌
基本的に毎日の発作状態やその誘因源(天気、運動会、風邪など)が客観的に解り、その児の重症度判定(以下に述べます)ができます。それに伴いお薬の原料もできます。また、お母さん方がお子様の喘息状態に限らず、客観的に学校生活や心理面をサポ-トするのに大変役に立ちます。
ただ欠点としては、発作状態が落ち着くと日誌を書かなくなる場合もあります。ある程度お薬も減量でき、落ち着いた状態であれば、ポイントポイントで書いてくださればよいでしょう。
重症度によって治療法が決定できるようになりました。重症度判定(日誌、肺機能など)によって的確な治療法が望まれます。
- 間欠型
- 軽症持続型
- 中等症持続型
- 重症持続型
3. 薬物療法
長期コントローラー製剤
(1) 吸入ステロイド(フルタイド、ベコタイド、パルミコート、アルデシンなど)
ステロイドと言うと身長が伸びない、骨の障害が起きる、体がむくむなどの心配をされる方が非常に多いのですが、これは全身的にステロイドを長期間大量に注射、内服した場合に限ると言ったほうが、誤解が解けると思います。最近の吸入ステロイドは大変副作用が少なくて、安全に作られています。直接、気管支に入ることにより、気管支レベルでの炎症を抑え、適性量では全くといっていいほど副作用はありません。
気管支の炎症をそのままに何十年も放置しておくと終末気管支(肺胞レベルまで)の変性をきたします。このような状態になると治癒不能どころか慢性呼吸不全に陥ってします。更に最近の研究では、安全量で長期間使っている患者さんは、吸入ステロイド剤を使用していない患者さん、あるいは、中止してしまっている患者さんと比較して、50%も喘息死の危険性が減少すると報告されました。そのようなことから、世界的に第一選択薬として位置づけられています。私の患者さんからも、この薬で大きな問題が生じた患者さんはいませんし、むしろ重度の喘息が落ち着いて、生活レベルが格段に上がって、小児喘息完解状態になった患者さんを多数みてきました。
(2) 抗アレルギ-剤(市場で数多く売られている製剤のうち、代表的なもの)
■抗ロイコトリエン拮抗剤(オノン、キプレス、シングレア)
ロイコトリエンは、病態からヒスタミンより1000倍も強いアレルギー反応を起こすことが知られていき、その結果、従来の抗アレルギー剤(抗ヒスタミン剤)にかわって、新しく、1990年代から患者さんを対象に治験が行われました。今までの抗アレルギー剤よりも即効性があり(約3日から7日)、吸入ステロイドと違う作用を持ち、相互で使うと吸入ステロイドの量も減らせるばかりか、気道の炎症を2倍、3倍と抑制します。また、副作用がなく安全性に優れていることが特徴です。今後、アレルギーマーチを防ぐ(アレルギーの予防)かどうかの研究が期待されています。
一方、従来の抗アレルギー剤(ザジテン、セルテクト、アレジオンなど)は抗ヒスタミン作用を持ち、掻痒がひどいアトピー性皮膚炎の患者さんや、鼻炎の患者さんに使うと効果があり、アレルギーマーチを防ぐことが確実にできることが実証されています。
■吸入抗アレルギー剤
1960年に開発されたインタール(クロモリン)が有名です。この薬は粘膜における肥満細胞の安定化をはかり、化学物質などの遊離を抑えます。また、運動誘発性喘息なども抑制する、副作用が全く無い、良いお薬です。
当初はカプセル形式でむせることが多かったものですが、現在はエアロゾル、吸入製剤があります。欠点として高額であること、抗炎症作用がマイルドな点でしょう。
■テオフィリン製剤
(テオドール、テオロングなど)は古くから使用されてきましたが、1978年頃から徐放製剤が開発され、日中の血中濃度が維持できるようになり、服薬しやすくなってきています。近年では、少ない量で気管支の炎症を抑える効果が示されています。一方では、痙攣との関連も示されていますので、近年のガイドラインにおいては、乳幼児ぜんそくでの安易な使用は禁じられております。
発作時使用薬(レリーバー)
■ 気管支拡張剤(β刺激薬)
短時間作用薬(メプチン、サルタノール)などがあります。
気管支を広げて呼吸を楽にしてくれる作用があります。
おわりに
近年アレルギー研究の進歩は著しく、お薬も副作用の少ない、非常に安全なものが多数開発されています。
症状が落ち着いてきたからといって、すぐに治療をやめてしまうのではなく、長期的に治療を行えば、時間はかかりますが必ず良くなります。
ぜんそくガイドライン(治療方針)も、かなり進化してきています。そのため、信頼できる医師のもとで、より良い治療を受けるようにしてください。
予防接種
くめクリニックで行う予防接種は、以下の通りです。
記載がないものも、可能な限りご用意いたしますので、事前にお問い合わせください。接種は予約制です。
定期接種(公費負担)
- ヒブワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- 結核予防接種(BCG)
- 四種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ)
- 三種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風)
- 不活化ポリオワクチン
- 麻しん風しん混合ワクチン
- 日本脳炎ワクチン
- 二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)
- 水痘ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- 子宮頚がんワクチン
任意接種(自費負担)
- ロタウィルスワクチン(ロタテック or ロタリックス)
- おたふくかぜワクチン
- インフルエンザHAワクチン
- A型肝炎ワクチン