メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム
肥満、特に内臓まわりに脂肪が溜まって、お腹がぽっこり出ている「内臓脂肪型肥満」の方は、血圧、血糖、脂質値などの異常を来たしやすく、その結果、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が重なりやすいことがわかっています。
内臓脂肪型肥満(へその高さの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つ以上が重なっている状態を「メタボリックシンドローム」と言います。
メタボリックシンドロームの患者さんでは、血圧、血糖、脂質などの値がそれほど異常でなくても、それらが重なることで動脈硬化が一層進展しやすくなり、心筋梗塞や脳血管障害などの心血管イベントの危険率が高まることが知られています。また、大腸がんや乳がんなど一部のがんでは、メタボリックシンドロームと関係が深いことが近年明らかになってきました。動脈硬化性疾患や心臓病だけでなく、がんともかかわりがあることを考慮すると、メタボリックシンドローム予防は非常に重要であるといえるでしょう。
そのためには、食事療法と運動療法の二本柱が必要になってきます。具体的には、栄養バランスが良く、エネルギー(カロリー)量も適切な食事を3食きちんと摂り、夜遅くの飲食は控える、アルコールはほろ酔い程度に抑える、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動を習慣づける(1日30分以上、週に3回以上)、などを心がけましょう。

生活習慣病と肥満が重なると動脈硬化を起しやすく、
心臓病や脳血管疾患だけでなく発がんリスクも含めて重大な病気にかかる危険性が高くなります。
